あなたが私にできる事
長い長い夏休みが明ける。
特に変化もなくまた日常が戻ってきた。
「おはよう。神崎さん。」
「おはよう。」
無条件で山口くんと会える日々。
「どうしたの?コレ?」
山口くんの指す先には、椅子の上で小さく体育座りをし、うつむく横山くんがいた。
「フラれたって。」
「ゆきちゃぁ~ん…。」
松本くんの答えに横山くんが情けない声を上げる。
「元気出して。」
横山くんの頭をそっと撫でた。
なぜだろう。
普段ならこんなことは絶対しない。
だけど恋愛に悩む彼が私と重なる。
彼女を想う彼の心が私の心までも切なくさせる。