あなたが私にできる事
私が山口くんにフラれたらどうなってしまうのだろう。
突然、横山くんが勢いよく頭を上げた。
そして立ち上がると両手を広げる。
「エリザベス!!好きだー!!」
「はぁ!?」
彼は叫びながら私を抱きしめた。
その瞬間、脳裏によみがえったのは…、
夏休み前。
誰もいない保健室。
山口くんの温もり。
彼の両腕はどうしてあんなに私の体にしっくりくるのだろう。
まるであの腕の中が私の居場所だとでもいうようだった。
「やめなさいって。」
それが誰の声かわからなかった。
松本くんと優くんが横山くんの腕を片方ずつ掴み私から離す。
私は肩を後ろに引っ張られてよろけた。
「…っと!」
後ろで私を支えてくれていたのは山口くんだ。