あなたが私にできる事
どうして優くんが和希のことを知っているのだろう?
「マジで?エリザベスってあんな頭いい高校のやつとつき合ってんの!?
横山、あきらめろ。お前じゃ敵わない。」
松本くんが横山くんの肩をバシバシ叩く。
「いや、もう別れたんだ。だいぶ前に…。
それよりどうして優くんが知ってるの?」
「昨年くらいに一緒に歩いてるの見た。俺、松永と同じ中学だから。」
世間は私が思っているより狭いらしい。
「その松永ってどんなやつー?」
横山くんが鼻にシワを寄せながら優くんをにらむ。
「どんなって…。掴みどころがないっていうか。変わってるっていうか。とにかく頭はよかったけど。」
その正しい評価に思わず笑ってしまう。
確かに和希は変な奴だった。
だからこそ私が一緒にいれたのだ。
「っていうか俺よりもや…「あっ!!」
ずっと黙っていた山口くんが大きな声を出す。
「神崎さん!ジュース!!」
そう言って私を教室から引っ張り出した。