あなたが私にできる事




なにやら二人でコソコソと話をしている。



横山くんの口が“マジで”と動いたように見えた。




「何やってるの~?」




廊下を歩いていた美紀が私たちの教室を覗く。




「美紀!いいところに来た。」



「何なに?」



「君のその魅力で横山くんを誘惑して来い!
私はもう耐えられない!」



いつもだったらすぐに乗る美紀がリスのような瞳で私を見つめる。





「美紀さ、そういうのもういいや。
彼氏って、そんな単純なものじゃないんだよ?恵梨香。」






彼女はそれだけ言ってどこかへ消えてしまった。




「何今の?」



「さぁ?」



「なんかみっきーが大人になってたね。」



残された私、松本くん、優くんの三人は首を傾げるしかなかった。





< 148 / 280 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop