あなたが私にできる事
なにやら二人でコソコソと話をしている。
横山くんの口が“マジで”と動いたように見えた。
「何やってるの~?」
廊下を歩いていた美紀が私たちの教室を覗く。
「美紀!いいところに来た。」
「何なに?」
「君のその魅力で横山くんを誘惑して来い!
私はもう耐えられない!」
いつもだったらすぐに乗る美紀がリスのような瞳で私を見つめる。
「美紀さ、そういうのもういいや。
彼氏って、そんな単純なものじゃないんだよ?恵梨香。」
彼女はそれだけ言ってどこかへ消えてしまった。
「何今の?」
「さぁ?」
「なんかみっきーが大人になってたね。」
残された私、松本くん、優くんの三人は首を傾げるしかなかった。