あなたが私にできる事
全員が山口くんを見る。
「何だよ。みんなして。」
「なんでお前がそんなことわかるんだよ!?」
横山くんの言葉に私も頷く。
「だって神崎さん猫舌じゃん。
ここの自販機ってパックのココアしか売ってないだろ?カップならフーフーできるけどパックだとストローで吸うしかないからフーフーできないんだよ。そしたら飲めないじゃん。」
「へ〜。エリザベスって猫舌なんだ。意外。」
「フーフーってお前、可愛いこと言うなよ。」
優くんが笑う。
「で?そうなの?エリザベス。」
今度はみんなで私を見る。
「…正解。」
「ヤマのバーカ!!」
横山くんはそれだけ叫んで自販機へと走って行った。
「ちょっとトイレ。」
私もそれ以上ここにいられず席を外す。
山口くんが私のことを見ていてくれたんだ、と思うと頬が緩む。
口元を隠して急いでトイレに向かった。