あなたが私にできる事
それぞれの歩む道
いつものようにお昼ごはんを食べ終わった美紀はいつものように私の教室にいる。
「はぁ~。」
「5回目。」
「いちいち数えないで。」
彼女の前には進路調査のプリントが置かれていた。
その志望欄はすべて白紙で…。
「いい加減提出しなよ。この時期に決まってないのって美紀くらいじゃない?」
「そんなこと言ったって…。恵梨香は就職しか興味ないの?」
「当たり前。早く自立して家出るの。」
そう。これは私が昔から決めていたこと。
美紀は眉を少し垂らして上目遣いで私を見た。
「はぁ~。」
「6回目。」
「………。」
「どしたの?みっきー?」
恭ちゃんがぬっと現れた。