あなたが私にできる事




山口くんの家は相変わらず大きかった。



その庭を抜けて離れへ向かう。




「神崎さーん!こっち!」




植木と植木の間から山口くんは顔を覗かせる。




「どうしたの?」



彼は地面に這いつくばって何かを探していた。




「それがさ、午前中に家の庭師が来てね、落ち葉を掃除して行っちゃって。」



「庭師って…。」



「カメ吉が見つからないないんだよ。」





山口くんが必死な顔で私を見上げる。




「庭師とカメ吉の関係は何?」




「落ち葉の中で冬眠してるはずなんだ。カメ吉。
だから掃除されるとカメ吉が剥き出しになって寒さで死んじゃうだろ!早く見つけてあったかいトコに移動させないと…。」



「そういうことは早く言ってよ。」




私も慌ててカメ吉を探しだした。





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