あなたが私にできる事



それはただの気まぐれ。


それはただの社交辞令。


ただの…同情。



だけど私にはすごく甘美に胸に響いた。





ーお誕生日おめでとうー





その一言がこんなにも嬉しいなんて。




山口くんは優し過ぎる。





“これからは”なんて言われたら未来を想像してしまう。




バカみたいに期待してしまう。




私はそれを勘違いしないように心を押さえつけた。




だけど、




「神崎さん!?やっぱり迷惑だった!?」




髪が乱れるほど首を横に振る。




「ありがと…。」






私の涙が一滴、チョコレートケーキに落ちた。







< 178 / 280 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop