あなたが私にできる事
彼も私の真似をしてフォークを刺した。
遠慮気味に一口頬張る。
「甘っ。」
「そう?おいしいよ?」
どんどん食べ進めていく私を呆れた顔で見ていた。
「そういえば山口くんはどうして私の誕生日知ってたの?」
微かに彼の視線が泳ぐ。
「内緒。」
「ふ~ん。
だけどなんか怖いな。山口くんには私のこと何もかも見透かされてる気がする。」
山口くんはぐちゃぐちゃにケーキを突いていた。
「どうしてそんなに私のことわかってくれるの?」
ほんの少しの沈黙の後、ようやく彼が顔を上げた。
私たちの視線が重なる。
「神崎さん…、俺さ、」