あなたが私にできる事
雨のクリスマス
時間は逃げるように過ぎていく。
私は就職の内定をもらった。
恭ちゃんは志望大学の合格内定をもらった。
美紀は相変わらず進路が決まらない。
山口くんは必死に受験勉強をしていた。
吐く息も白くなり、クリーニング屋さんに置きっぱなしになっていたマフラーを取りに行く。
久しぶりに思い出す和希の面影。
でも前みたいに胸を締め付けることはなかった。
来週からは冬休みで、それが明けたら卒業式が迫ってくる。
そのことの方が余程胸を締め付ける。
私はイルミネーションの輝く商店街を足早に通り過ぎた。
この季節は気が滅入る。