あなたが私にできる事
山口くんの家に一番最初に着いたのは私だった。
「みんなはまだ?」
「恭一はクラスのパーティーにも顔出すって言ってたから遅れてくると思うよ。みっきーは何も連絡ないけど。」
「そっか。」
私たちは美紀が来るまで待つことにした。
この部屋で山口くんと二人きりになるのは久しぶりで緊張する。
彼の腰掛けるベットを見て、初めて飲み会をした日を思い出す。
あの時の私はここで彼と寄り添うように寝ていた。
そんなことを許した自分に心底あきれる。
そしてあの頃の自分に嫉妬する。
今ではそんなこと絶対にできない。
私は自分で自分が羨ましくなった。
今の私は体の全神経が彼に向いていて息すら上手く吸えない。