あなたが私にできる事
美紀からメールが来たのはたっぷり1時間も過ぎた頃だった。
『メリクリ~。
やっぱりイヴは一番大切な人と過ごすべきだと思うの。
だから美紀は欠席します。
パーティー楽しんでね~。』
「…だそうです。」
携帯の画面を山口くんに見せる。
「せっかくみっきーの言う通りにしてたのに~。」
彼は拗ねたように唇を尖らせた。
「言う通り?」
「俺はツリーとケーキ担当だって。」
確かにこの部屋に入って一番初めに大きなクリスマスツリーが目に入った。
「え?私は何も言われてないよ?」
「うん。神崎さんは参加さえしてくれればいいってなって。」
どういう意味かわからず首を傾げる。
「みっきーはクラッカーと三角帽子担当。恭一はサンタの衣装担当。もちろん女子用のミニスカサンタね。」
思わず想像した。