あなたが私にできる事
三角帽をかぶりクラッカーを鳴らす山口くんと恭ちゃん。
ミニスカートのサンタの衣装を着た私と美紀。
大きなクリスマスツリー。
ろうそくの灯ったクリスマスケーキ…。
「それ!その表情!」
山口くんが私の顔を指差しておかしそうに笑う。
「みっきーがさ、神崎さんの極限に嫌がるその表情見たいって言い出してさ、恭一も悪乗りしてたんだ。ま、結局見れたのは俺だけだったけど。」
「美紀のやつ。もう、心配して損した。」
怒る私を見て山口くんはまた笑った。
「まー、いいじゃん。二人で始めちゃおう。俺、母屋から食うもん取ってくる。
ケーキ、またホール食いするだろ?」
「こうなったらとことん食べてやる!恭ちゃんの分だって残してあげないんだから!」
それから二人でサラダやチキンを食べた。
思いがけない二人きりのクリスマスイヴ。
恭ちゃんがもっと遅れてくることを願った。