あなたが私にできる事
山口くんは何か言おうとしていたが、携帯の着信音がそれを遮った。
「…もしもし?」
彼は短く息を吐いてから電話に出る。
「あぁ。早く来いよ。食い物なくなるぞ?わかった。じゃーな。」
短く受け答えしてから電話を切った。
「恭一。今から来るって。」
「そうなんだ。で?何か言いかけてたよね?」
「…いいや。また今度で。
それよりどうする?恭一来ちゃうよ?」
彼がニヤニヤする。
私は話をはぐらかされたことにも気づかなかった。
「ミニスカサンタの衣装が届いちゃいますが?」
「…!帰る!私今すぐ帰る!!」
立ち上がってコートを着る私を見て山口くんは大笑いした。
「ハハハッ。駅まで送ってく。」
目尻の涙を拭いながら彼も立ち上がった。