あなたが私にできる事
外は相変わらず雨が降っていた。
「寒っ。」
シトシトとした雨のせいで空気は凍りつくようだった。
吐く息も白い。
「雨は夜更けすぎに雪へと変わるのかね?」
「何言ってんの?」
有名なクリスマスソングを口ずさむ山口くんの傘を私の傘で突く。
山口くんの家は駅が近過ぎる。
ゆっくり歩いていたつもりなのにあっという間に着いてしまった。
「よかったね。あと少しで電車来るみたいだよ。」
「うん。送ってくれてありがとう。」
駅には人の姿はあまりなかった。
「あれ?」
真後ろから聞こえた声。
振り向いた私の目に最初に入ったのは西高の制服だった。