あなたが私にできる事




外は相変わらず雨が降っていた。



「寒っ。」



シトシトとした雨のせいで空気は凍りつくようだった。



吐く息も白い。




「雨は夜更けすぎに雪へと変わるのかね?」



「何言ってんの?」




有名なクリスマスソングを口ずさむ山口くんの傘を私の傘で突く。







山口くんの家は駅が近過ぎる。



ゆっくり歩いていたつもりなのにあっという間に着いてしまった。



「よかったね。あと少しで電車来るみたいだよ。」



「うん。送ってくれてありがとう。」




駅には人の姿はあまりなかった。



「あれ?」



真後ろから聞こえた声。






振り向いた私の目に最初に入ったのは西高の制服だった。






< 197 / 280 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop