あなたが私にできる事
突然の変化
重たい体を引きずるように家を出た。
寝不足の目に太陽の日差しは眩し過ぎる。
学校なんて行きたくなかった。
でもそれ以上に家になんていたくない。
サラリーマンの波に押されるように電車に乗った。
誰もいない廊下を歩き教室のドアを開けた。
「おはよ。」
廊下側の一番前。
そこが山口くんの席だと初めて知った。
「…はよ。」
爽やかな彼のあいさつとは正反対な私。
「神崎、遅刻だ。早く席に着きなさい。」
朝のホームルームはもう終わろうとしていた。
担任を一瞥して自分の席に着く。