あなたが私にできる事



返信はすぐに来た。



『2日ヒマじゃない?』


『暇』


『ちょっとつき合って欲しい所あるんだ。一緒に行ってもらってもいい?』





彼は私の最寄駅まで来てくれるという。



目的地がどこなのか、何がしたいのかわからないまま元旦を過ごした。




思いがけないデートに私の心は浮足立つ。




待ち合わせの時間に駅に着くと彼はすでに到着していた。



「神崎さん。あけおめ。」



「おめでとう。」



「今日は案内よろしくね。」



「え?どこ行くの?」




彼の告げた場所はこの辺では有名な学業の神様が祭られているという神社だった。



「神頼みっていうのも情けないけど…。」




そう言ってクマの目立つ目元を細めた。





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