あなたが私にできる事
神社には大勢の参拝客がいた。
自然とできてしまう行列に並ぶ。
山口くんは自分の番が来るとお賽銭箱に5円を投げ、思いっきり鈴を鳴らした。
パンッと乾いた音を立てて手を合わせる。
「絶対合格できますよーに!!」
力強く願を懸ける彼の横で私も手を合わせる。
その時私が心から願ったことは…、
山口くんの受験失敗でも、山口くんのことを忘れることでもなかった。
ーずっと、ずっと、彼のそばにいられますようにー
きっとこの願いは神様にも叶えられない。