あなたが私にできる事



神社には大勢の参拝客がいた。



自然とできてしまう行列に並ぶ。




山口くんは自分の番が来るとお賽銭箱に5円を投げ、思いっきり鈴を鳴らした。


パンッと乾いた音を立てて手を合わせる。



「絶対合格できますよーに!!」






力強く願を懸ける彼の横で私も手を合わせる。








その時私が心から願ったことは…、







山口くんの受験失敗でも、山口くんのことを忘れることでもなかった。









ーずっと、ずっと、彼のそばにいられますようにー








きっとこの願いは神様にも叶えられない。







< 202 / 280 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop