あなたが私にできる事
だって仕方ない。
「私、バレンタインチョコってあげたことないんだもん。」
私の呟きに山口くんが目を見開く。
「だって元カレとかは?」
「その時期って彼氏いなかった。」
「前カレは!?1年以上続いてたんだろ?」
「う~ん。別にお互い興味なかったから。そういうの。」
彼は口元を押さえながら笑う。
「…らしいわ。」
「何?」
「ん?あぁ。神崎さんらしいなと思って。」
山口くんはお守りを指にかけ空に掲げた。
「予約するよ。俺。」
「予約?」
彼を照らす様に降り注ぐ日の光が強くて私は目を細める。