あなたが私にできる事
美紀はなんてことないようにサラリと言った。
私はたっぷり10秒は固まっていたと思う。
「な…何を根拠に?」
波打つ心臓を抑える。
「見てればわかるよ?ヤマって恵梨香だけは特別扱いしてるんだよね。必死に近づこうとしてるっていうか…。懐かせようとしてるっていうか?」
他の誰かといる山口くんを見ないようにしていた私には
彼が他の人にどんな風に接しているかわからない。
だけど美紀の言っていることが本当だったら…。
「恵梨香だってそうだよ。ヤマといる時は超楽しそうだし。なんか自然だし。いい雰囲気なんだよね~。
っていうか恵梨香たちがつき合ってるって勘違いしてる人意外といるからね?」
山口くんが私を好き?
いい雰囲気?
つき合ってる?
いろいろな情報が私の脳内を占拠する。
「美紀…。私…、胃…痛い…。」