あなたが私にできる事
恭ちゃんが人差し指を出す。
「静かに!お勉強の邪魔!」
その目線の先には山口くんがいた。
昼休みも私たちがおしゃべりする中で勉強をしている。
以前、うるさいだろうから他でやるように勧めたら“ここのほうが落ち着く”と言われてしまった。
本人は話し声は気にならないと言うが、こっちとしては気になる。
私が肩をすくめると美紀は小さな舌をペロッと出した。
受験日はもう明日に迫っている。
ここのところの彼の頑張りを見ていたら自然と応援している自分がいた。
これだけ頑張っているんだ。
絶対に合格して欲しい。