あなたが私にできる事
見つからない答え
山口くんは放課後もすぐに教室から出て行ってしまう。
早く帰宅して勉強に励んでいるようだった。
山口くんのいない教室にいても仕方ない。
私は図書館にでも行こうと立ち上がった。
「うわ。これヤマじゃ~ん!」
教室の隅にできた人だかりの中からそんな声が聞こえてきた。
通りすがりに見えた光景。
中心にいる優くんの姿。
見覚えのある冊子。
それは、山口くんの家にもあった卒業アルバムだった。
ーヤマの好きな子って元中だと思うんだよねー
阿部さんの言葉がよみがえる。
「あっ。エリザベスも見る?若かりし頃のヤマ。
…とその仲間。」
仲間?
その中にいるのだろうか。
山口くんの想い人…。