あなたが私にできる事
決心
家に帰っても暇を持て余すだけだった。
母親は仕事で夜まで帰らない。
私には父親はいない。
ベットに寝転がりながら鳴らない携帯を見つめる。
思い返すのは和希をふった後悔よりも罪悪感。
あんなにやさしい彼を傷つけてしまったことが気にかかる。
同時に彼の存在がなくても平気な自分に笑えてくる。
「何が彼氏だか…。」
小さなつぶやきは誰もいない部屋に吸い込まれるように消えた。
別れた相手の事を考えるのはこれが初めてだった。
小学校6年の時から、告白されれば受け入れてきた。
たとえ好きな相手でなくても。
そんなつき合いが長続きするはずない。
大抵3ヶ月。短くて2週間という関係もあった。
そんな中で1年以上も続いたのは和希だけだった。