あなたが私にできる事
そして、一番私の心に突き刺さった言葉。
ーー和希に頼まれた。恵梨香のことよろしくってーー
「なんだよ…。それ…。」
冷たい風が私の涙をさらう。
山口くんが私に話しかけてくれたのは、
山口くんが私に笑いかけてくれたのは、
山口くんが私のそばにいてくれたのは、
全て和希の為だったんだ。
「頼まれたって…。」
小さな小さな呟きは雑踏の中に吸い込まれた。
所詮、私は愛情と同情の区別もつかない、そんな人間なのだ。