あなたが私にできる事



そして、一番私の心に突き刺さった言葉。




ーー和希に頼まれた。恵梨香のことよろしくってーー





「なんだよ…。それ…。」




冷たい風が私の涙をさらう。




山口くんが私に話しかけてくれたのは、



山口くんが私に笑いかけてくれたのは、



山口くんが私のそばにいてくれたのは、







全て和希の為だったんだ。





「頼まれたって…。」




小さな小さな呟きは雑踏の中に吸い込まれた。







所詮、私は愛情と同情の区別もつかない、そんな人間なのだ。










< 232 / 280 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop