あなたが私にできる事
あの校舎の中に山口くんがいる。
また同じ空間にいることができる。
また…、会える…。
たったそれだけのことで胸が締め付けられて、泣きそうになる。
これ以上ないくらい急いで、ゼーゼーと息を切らしながら靴箱に戻ると派手なスニーカーはまだそこにあった。
ホッとする。
とにかく彼を探そう。
この広い建物の中のどこかに絶対いる。
私はとりあえず教室に向かって階段を駆け上がった。
その勢いのまま教室のドアを開ける。
「うおっ!びっくりした~。」