あなたが私にできる事
私は急いでその人物に追いつくと思いっきりその髪を引っ張った。
「…った~!ってやっぱりお前かよ!!」
一段と化粧の濃い阿部さんが振り向いた。
「いろいろお世話になりました。
最後に、ケンカ売りにきた!」
「あぁ?」
思いっきり睨まれる。
「あのね、山口くんの好きな人って…、
私だって!」
ゴッ!!!!
「いっっっっった~…。」
私は涙目になりながらおでこを押さえる。
「なんで頭突き…。」
「ムカついたからだよ!
つーか、つき合ってんだって?すげー噂になってるよ。」
私の目が潤んでいるせいか、阿部さんの瞳まで潤んでいるように見えた。