あなたが私にできる事
「どうかした?」
「ふふっ。なんでもない。」
私は笑いながらその傘の柄を握りなおした。
「直ちゃーん!!」
美紀は校門の近くに停まってる車に向かって手を振っていた。
中からガッシリとした体つきの男の人が出てくる。
「直ちゃんってさ…。前、携帯に着信あった人だよね?」
「あっ、そういえばあった気がする。」
「男だったんだ…。」
仲良さそう会話する二人を見てホッとする。
美紀にも早く幸せになってもらいたい。
「紹介するね。美紀の愛しのダーリン、直ちゃんです!」
「初めまして。内野直哉です。いつも美紀が世話になってます。」
見た目と違って優しい声と話し方をする人だった。