あなたが私にできる事
おまけ
あれから数年の月日が過ぎた。
『もしもし?恵梨香?今駅ついたんだけど、雨降っててさぁ。傘持ってきてくれない?』
『あのさ、我が家は“駅の目の前にあるマンション”っていうのが売りだったと思うけど?』
『スーツ濡れると怒るのお前だろ。』
『わかった…。今行く。』
大きなため息を吐き電話を切った。
夕食の支度をやめ玄関に向かう。
傘立てを見たらある1本のビニール傘に目が止まった。
「ちっ。あいつ…。」
その時、携帯がメールを受信したことを知らせた。
『早く来いよ。』
ビニール傘を掴み家を出る。
携帯の着信履歴を出しながらエレベーターに向かった。
『もしもし?ちょっと久志!!傘に人の名前勝手に書かないでって何度も言ってるでしょ!?』
ーーー完ーーー