あなたが私にできる事
「そろそろ親が来る頃だ。」
「私も帰るね。」
持っていたアイスココアのゴミを捨てコンビニを後にする。
「あのさ!」
後ろから和希くんの声がした。
「また、暇つぶししてあげようか?正しくは俺が暇なんだけど。」
照れたように笑った和希くんの顔。
「うん。またお話しよ!」
「じゃあ、気をつけて。」
私は走り去る和希くんの背中を見つめた。
私たちはそれから塾のある度一緒に過ごした。
コンビニで話し込むこともあれば、自習室で和希くんに勉強を教えてもらうこともあった。
休みの日に映画を見に行くこともあった。
その間、私は何人かの人とつき合い、別れた。
いつしか“和希”“恵梨香”と呼び合うようになっていた。