あなたが私にできる事
彼は誰もが知っている進学校に入学した。
私は普通レベルの高校に入学した。
お互い塾もやめてしまい接点はなくなった。
高校に入って初めての夏。
久しぶりに和希と会った。
そこは和希と私の家の中間に位置するファミレス。
「俺、恵梨香のこと好きなんだ。」
思いがけない告白に言葉を失った。
「つき合ってくれない?」
「いいよ。」
自分の意識とは関係なく言葉が出ていた。
その瞬間、結末は予想できていた気がする。
きっとこうなるとわかっていた。
1年後の冬。
同じファミレスの違う席で私は和希と別れた。