あなたが私にできる事
「ゲホッ…。ゴホッ…!」
飲んでいたココアが変な所に入った。
エリザベス!?よりによってエリザベス!?
おそらく恵梨香にかかっているのだろう。
「恵梨香?大丈夫?」
私を心配する美紀と笑いを堪える山口くんが目に入る。
「平気。それより私も最近野良犬につきまとわれてんだよね。」
「へ〜。神崎さんとこはどんな犬なの?」
今度は恭ちゃんが聞いてくる。
「そうだなぁ…。」
山口くんを見た。
クセの強い柔らかそうな茶髪。黒目がちな目。ころころ変わる表情。
「しつけのなってないトイプードル?」
「トイプー?かわいい〜。美紀大好きだよ!今度会わせてよ!!」
「おい。ヤマ。といぷーどるってどんなんだよ?」
「恭一…。ネットで調べろ。それか図書室行って来い…。」
「その子の名前は?」
引きつる笑顔の山口くんに気づかず美紀が聞いてくる。
「ごん太。」
満面の笑みで答えた。