あなたが私にできる事
昼休み、
購買でパンを買って教室に戻ると私の席に山口くんと恭ちゃんがいた。
「何してるの?あんたら。」
「今日みっきー休みなんだって?一人ごはんはかわいそうだから一緒に食べてやるよ。」
「…ってみっきーからメールが来てたらしいよ。恭一のところに。」
二人に聞こえるように大きなため息をつく。
美紀には明日お説教だ。
二人は勝手に机を寄せ集め弁当を広げ始めた。
ここで断ったら余計に騒がしくなりそうだから我慢して席に座った。
「恭ちゃん…。そんなに食べるの?」
彼の弁当は驚くほど大きかった。さらには菓子パンも2つ持っている。
「う〜ん。成長期だから?食べても食べても腹減るんだよ。エリザベスはパン1個だけ?」
「うん。食べ物に執着ないから。」
「フッ…。」
聞いていた山口くんが笑う。
「何?」
「だけど神崎さんって本当に甘いもの好きだよね。そのパン、めっちゃ生クリーム入ってるじゃん。パフェも好きみたいだし。」
「へー。エリザベス甘いもの好きなんだ。意外。」
あの時ファミレスでパフェを頼んだのは失敗だったと後悔した。