あなたが私にできる事
「だけどみっきーとエリザベスって正反対じゃん。性格とか。なんで仲いいの?」
「恭ちゃん、そんなこと言えるほど私の性格知ってる?」
ストローを噛みながら悪態づく。
「俺似てると思う。」
山口くんが携帯を見ながら言った。
「お前ら、根本的な部分似てるんだよな。他人を必要としてない感じとか。
みっきーはそれを表に出さないけど…。逆に神崎さんは表に出し過ぎ。」
当たっていて何も言えなかった。
私も美紀も簡単に他人を信用できなかった。
同時に簡単に他人に信用して欲しくもなかった。
理解する気もない他人との関わりあいなんて無意味だ。
「当たり?俺意外と神崎さんのことわかってるしょ!?」
山口くんは嬉しそうに笑っていた。
「いい子だな~。ごん太。」
「恭一にごん太って言われたくねー。なんかムカつく。」
制服のポケットの中で携帯が震えた。
美紀からのメールだ。
『たまにはそういうランチもいいでしょ?』
勝手に騒ぐ男二人に苦笑しながら返信した。
『たまに…ならね。』