あなたが私にできる事
小さな発見
私たちが何もしなくても季節は勝手に過ぎてゆく。
それは曲げようのない事実。
「エリザベス、携帯貸して。」
「は?」
それはいつもの昼休み。
私の手にあった携帯を恭ちゃんが取り上げる。
「ちょっと、何すんの?」
「赤外線~。」
手慣れた様子で携帯を操作する。
「ヤマ。お前もやっとけよ。」
私の携帯が恭ちゃんから山口くんへと渡った。
「はい。神崎さん。」
ようやく山口くんが携帯を返してくれた。
「突然何なの?」
「来週から春休みだろ?エリザベス暇そうだし、連絡くれれば俺らが遊んでやるよ。」