あなたが私にできる事
この高校に入って美紀以外の人とアドレスの交換をしたことがなかった。
二人とも律儀に私の携帯に自分たちのアドレスを入れてくれていた。
1件減った私のメモリーに2件の新しいメモリーが追加される。
「私から連絡することはないと思うけど。」
「そう言うと思った。とりあえず家で飲み会予定してるから強制参加。」
山口くんがキッパリと言う。
「美紀も行く〜。」
今まで熱心に携帯をいじっていた美紀も混ざってきた。
「だって知ってる?ヤマの家ってすっごい大きいらしいよ。美紀も行きたいよぉ。」
「好きにしろ。」
大袈裟に甘えてねだる美紀。
それをうざそうに制する山口くん。
「いつにする?」
人の意見も聞かずに話を進める恭ちゃん。
いつのまにか4人でいることが日常になりつつある。
春休み明けにはクラス替えが迫っていた。