あなたが私にできる事
山口くんは早速ビーフジャーキーを開けて食べようとしていた。
「待て!」
「えー?なんで?」
おあずけをくらった犬のように情けない顔をする。
「みんな揃ってから。」
「恭一ならもう来てるよ。はりきって準備してる。」
池の鯉と遊んでいる美紀を呼び離れに向かった。
「あっ、いらっしゃい。」
恭ちゃんがまるで主のように出迎えてくれた。
「すご~い。ここで生活できそうだよ。いいなぁ~。美紀もこんな部屋に住みたい。」
離れの中には冷蔵庫も簡単な台所もついていた。
「だけど風呂とトイレはあっちだけどな。」
そう言いながら母屋の方を指さすのは恭ちゃんだ。
「ちょっと~、ここはヤマのお家でしょ!?なんで恭ちゃんが威張るわけ?」
「俺だって詳しいも~ん。」
「いいから早く飲ませろ。」
私は3人の会話には耳を貸さずに部屋の中を見渡す。