あなたが私にできる事



和希のことを考えない為に、早いペースでお酒を飲む。



「さすがエリザベス。強いね~。」


「美紀はもう飲めな~い。」



お酒の弱い美紀はすぐに酔いが回ったらしく頬を赤く染めていた。



「さすがみっきー。清純派~。」



この男は何度言ったらわかるのだろう。



「だからね、恭ちゃん。美紀は清純派風なんだってば!外見も中身も美少女だけど清純ではないんだって!」



「ちょっと恵梨香?余計なこと言わないでよ。私のイメージ崩れるでしょ?」



だけど事実だ。


男と別れる度に私に愚痴る。
そして男と出会う度に私にのろける。


この1年間それが何度繰り返されたことか。



「来年はあんたとクラス離れたい…。」


「恵梨香ひど~い!」



私たちの会話を聞いていた山口くんがしみじみ言う。



「そうだよな。俺たち同じクラスじゃなくなるかもしれないんだよな。」



仲良くなりだしてまだ2カ月も経っていない。



「また同じクラスになれるといいな!」


「恭一?お前は元々違うクラスだから。」




いじける恭ちゃんを無視して私たちはまた飲み出した。



< 49 / 280 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop