あなたが私にできる事
何かがモゾモゾと動く気配で目が覚めた。
重たい瞼を少し開く。
目の前には山口くんの顔。
「おはよ…。」
声がかすれた。
ひどくのどが渇いていることに気づく。
彼はこれでもかというくらい目を見開いたまま微動だにしない。
たっぷり10秒は間が開いた。
「神崎さん!!何してんの!?」
山口くんはガバッと起き上がり叫ぶ。
「水飲みたい…。」
ベットから降りるとクッションを枕にして寝ている恭ちゃんがいた。
いつの間に帰ったのだろう。
そう思いながら勝手に冷蔵庫を開けてミネラルウォーターを取り出す。
山口くんはベットの上で頭を抱えている。
太陽はもう高いところまで登っていた。
今日は春らしい暖かい日になりそうだ。
「俺何かした…?」
山口くんがこっちを向き恐る恐る尋ねた。
ペットボトルに口をつけたまま彼をじっと見みつめる。
「…さぁ?」
口だけ笑って答えた。