あなたが私にできる事
新たな季節
黒板に張り出されたプリント。
そこにはそれぞれの新しいクラスが示されていた。
「あっ、恵梨香と違うクラスだ。ちぇっ。」
美紀が悔しそうにつぶやく。
私は自分の分だけ確認すると席に戻った。
美紀と違うクラス。
これからはまた一人に戻る。
そのことに少なからず淋しさを感じた自分に笑える。
少しは成長しているようだ。
突如、目の前に出された掌。
「よろしく。」
顔を上げると山口くんが私に手を差し出していた。
「何?」
「ひどいなー。俺たち、同じクラスだったけど?」
最後の高校生活は賑やかになりそうだ。
「こちらこそよろしく。」
右手を出し、握手を交わした。