あなたが私にできる事



出席番号順に決められた新しい席は窓際から2列目の一番後ろだった。



横を見ると山口くんが手を振っている。
彼は廊下側の一番後ろの席だったらしい。



まだ先生の来ない教室は耳をふさぎたくなるほど騒がしかった。


みんな顔見知りを探しては自分を守る為だけのグループを作っていく。


毎年行われるくだらない光景。



そして囁かれる他のグループの悪口。



これだから女子は嫌いなのだ。




山口くんを盗み見ると私の知らない男子と笑い合っていた。



社交的な彼の事だからいろいろな人と交流があるのだろう。




きっともう私にかまってなど来ないはずだ。



3か月前の静かな学校生活に戻れる。



時々美紀がクラスに遊びに来て、山口くんと恭ちゃんはあいさつを交わす程度には仲良くする。




そのくらいが私にはちょうどいい。




馴れ合いも友達もいらない。



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