あなたが私にできる事
「神崎さ~ん。」
不意に名前を呼ばれた。
山口くんが私に向かって手招きをしている。
「こいつ松本。こっちは優。あと横山。1年の時に同じクラスだったんだ。」
話についていけない。
「いつも一人でいるかわいそうな子だからお友達になってあげて。」
この男…。
余計なお節介も大概にしてほしい。
「いらないんだけど。友達とか。」
座る山口くんを上から睨む。
「いいじゃん。最後の高校生活楽しく過ごそうぜ。エリザベス!」
横山という男の子がへらっと私に言った。
顔が引きつるのを感じながら彼を見る。
「横山くん。何?エリザベスって…。」
「恭一がそう呼んでたよ?4組ならエリザベスをよろしくなって。」
どいつもこいつもロクなことをしない。
新学期早々私は男子に囲まれていた。
さっきから体中に感じる女子の視線が痛い。