あなたが私にできる事
「しょうがねーなぁ。」
山口くんがそう言いながら松本くんのお菓子の袋をあさる。
「これなら文句ない?」
差し出されたのはチョコレートの箱だった。
「エリザベスってチョコレート好きなの?」
松本くんが意外そうに言う。
「神崎さんは甘いもの好きなんだよ。」
なぜか山口くんが得意そうに言った。
「だったらそれ全部やるよ。」
「ありがと。っていうかさ、そのエリザベスっていうのやめない?」
いつの間にかそのあだ名が定着していることに抵抗を感じた。
私は日本人なのに。
「なんで?いいじゃん。」
松本くんに屈託のない笑顔で言われてしまう。
「合ってると思うよ。エリザベスって雰囲気持ってるし。」
今まで黙っていた優くんにまで言われてしまう。
だけどそれってどんな雰囲気なんだろう。
「ところでどうしてエリザベスなの?」
「あっ、俺もそれ気になってた。恭一も教えてくれなかったんだよ。」
二人が私を見る。