あなたが私にできる事
最近よくノドが渇く。
山口くんと一緒にいるようになってから声を荒げてばかりだ。
こんなにも自分の感情を剥き出しにするなんて…。
「神崎さん。どこ行くの?」
「自販機。」
今度はクラゲに夢中になっている。
出口の横にある自動販売機のコーナーも人の姿はなかった。
アイスココアを買うとベンチに座った。
あと数時間どうやって時間を潰そう。
さすがに水族館は一人では居づらい。
ショーもそろそろ終わる時間だ。
そしたら美紀でも探して適当に相手をしてもらえばい。
「お待たせ。」
山口くんが私に微笑む。
「待ってないんだけど。
ショー終わる頃でしょ?早くみんなと合流したら?」
「あぁ。なんかもうめんどくせー。神崎さん、一緒に回ろうよ。」
どうして私はこの人の誘いを断れないのだろう。