あなたが私にできる事
嫌な感じだった。
なんか面倒なことになりそうな感じがした。
「ナイス神崎さん。」
トイレから戻ってきた山口くんが隣に立つ。
「あそこで“ありがと”はないよな。マジウケる。」
「見てたの?」
彼はヘラっと笑った。
「ごめんごめん。あいつ苦手なんだよな〜。」
「なんて名前?」
ギョッとした顔で見られた。
そして眼を瞬かせる。
「同じクラスだよ?」
「知ってるよ。」
「3年間同じ学校だよ?」
「わかってる。」
「知らないの?」
「悪い?」
「…。」
「もう、いい!」
私は出口に向かって歩き出した。