あなたが私にできる事
愚かな選択
すぐに授業が始まりそうだった為、詳しい話を聞くことができなかった。
だけど恭ちゃんの様子を思い出すと嫌な予感がした。
「神崎さん、遅かったね。」
理科室の入り口にいた山口くんが私に笑いかける。
「うん。ちょっと…。」
不思議そうに私を見つめる山口くんとなるべく目を合わさないようにして席に着いた。
その日の昼休み、
いつものように美紀が私たちのクラスに来て、山口くんが私の席まで来て、そしてお弁当を広げる。
「エリザベス、ちょっといい?」
遅れて来た恭ちゃんが私を呼ぶ。
「弁当も持ってきて。」
そう言われパンとココアを持って席を立つ。
きっとさっきの話の続きだろう。
「どうしたの?」
山口くんが心配そうな顔をする。
「うん。ちょっと…。」
さっきと同じことしか言えなかった。