あなたが私にできる事
「ヤマとエリザベスって急に仲良くなりだしただろ?危ないな~って思ってたんだよなぁ。あ~ぁ…。あいつも何考えてんだか。」
「親近感じゃない?」
窓の外で誰かが騒いでる声が聞こえた。
驚くほど静かな教室。
「私が彼氏をふった日に山口くんも彼女をふったんだって。きっと山口くんは私のことを仲間だと思ってるんだよ。」
どうしてだろう。
和希の話をしているのに心が痛まなかった。
何の抵抗もなく恭ちゃんに話してしまう。
だんだんと薄れていく罪悪感。
そして喪失感。
どうしてだろう。
「へ~。それでお前ら仲いいのか。納得。」
恭ちゃんが“うんうん”とうなずく。
「恭ちゃん。阿部さんの事は私でどうにかするよ。心配してくれてありがと。」
「何かあったらすぐ言えよ?俺、エリザベスの為なら何でもするから。」
口っぱいにごはんを頬張りながら彼はウィンクした。