あなたが私にできる事



恭ちゃんが自分のクラスに戻ってしまった為、私は一人で教室に帰った。



「あっ。お帰り。恵梨香。どうしたの?」



「山口くんは?」




辺りを見回したが教室の中にはいない。



「サッカーしに行っちゃったよ。それより何があったの?」



美紀は私のことを心配して自分のクラスに戻らずに待っていてくれたらしい。



「それがね…。」



私は美紀に一部始終を説明した。



「やっぱり出てきたか。阿部真理子。」



美紀は手の平に顎を乗せると指先で頬をトントン叩きながら言う。



「やっぱりって?」



「遠足の時辺りからかな~。恵梨香に目つけてたらしいよ。あの子、ヤマにも未練ありまくりだし。」



まさかあの時の行動がこんなことになるなんて。





「ところでさ、恵梨香ってヤマのこと好き?」









「うん。好きだよ。」



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