あなたが私にできる事
「わからないかなぁ。自覚しなよ。自分が女子からどう見られてるか。
私が山口くんと仲良くすることでどんな立場になってると思う?」
「何だよそれ。誰が何してきたんだよ?そんなの俺がどうにかする。俺の問題だろ?どうして神崎さんが…。」
山口くんが私の両腕を掴む。
ほら。やっぱりだ。
彼は優しい。優し過ぎる。
どうして私なんかの為にこんなに必死になってくれるんだろう。
「いい加減にしてよ!なんかもう面倒くさいの。そういうのが全て。
私は人と関わらずにいたいの。一人でいる方がいいの。」
私たちは無言のままお互いを睨みあった。
「お願い。放っておいて。」
彼の手を振り払って教室から出て行こうとした。
「だから言ったじゃん。自分がかわらないとダメだって。」
消え入りそうな声だった。
私は振り返ることなくドアを閉めた。