神楽幻想奇話〜鵺の巻〜
そんな透を優しげな目で見つめながら、僧正は言った。
「ほっほっほっ、狐火の事だな?確かに攻撃としての能力は高いかもしれんな…。だが、答えは間違いだ。
透よ、お前の父親、玄奘が一族の中で一番強かったのだ。」
透は予想外の答えに目を丸くした。
自分にはその父から受け継いだ「犬神」が憑いていることは知っている。
だが、父親に比べるまでもなく、その能力を引き出すことが出来ていなかったのである。
「透よ、お前は父から継いだその力を一日も早く使いこなせるようにならねばいかん。
どうしたら引き出せるか…。
それは、お前と妖との信頼によって変わるのだ。」
「でも爺様!俺には良く分からないよ。自分の中に妖が憑いてるなんて。」
軽く頭を横に振った後、透はうつむいた。
「お前は冷静ではあるが、少し人と距離を置こうとする所があるな。
心を開くのだ。人も妖も同じだ。」
「でもさ、爺様、俺妖って見たこと無いよ?いきなり退魔しろって言われても出来るわけ無い!」
透は今まで言えなかった悩みを打ち明けた。
「ふふ…退魔すべき悪しきモノが近づいたなら、お前の中にいる妖が警戒し、教えてくれる。心配はいらぬよ。」
「ほっほっほっ、狐火の事だな?確かに攻撃としての能力は高いかもしれんな…。だが、答えは間違いだ。
透よ、お前の父親、玄奘が一族の中で一番強かったのだ。」
透は予想外の答えに目を丸くした。
自分にはその父から受け継いだ「犬神」が憑いていることは知っている。
だが、父親に比べるまでもなく、その能力を引き出すことが出来ていなかったのである。
「透よ、お前は父から継いだその力を一日も早く使いこなせるようにならねばいかん。
どうしたら引き出せるか…。
それは、お前と妖との信頼によって変わるのだ。」
「でも爺様!俺には良く分からないよ。自分の中に妖が憑いてるなんて。」
軽く頭を横に振った後、透はうつむいた。
「お前は冷静ではあるが、少し人と距離を置こうとする所があるな。
心を開くのだ。人も妖も同じだ。」
「でもさ、爺様、俺妖って見たこと無いよ?いきなり退魔しろって言われても出来るわけ無い!」
透は今まで言えなかった悩みを打ち明けた。
「ふふ…退魔すべき悪しきモノが近づいたなら、お前の中にいる妖が警戒し、教えてくれる。心配はいらぬよ。」