神楽幻想奇話〜鵺の巻〜
第十一章 新たな目覚め
京都府鞍馬山…幼少時の源義経が、天狗に戦い方を教わったという一説すらある場所…。
その山中に翌日となった今日、透達は来ていた。
一般人が入る登山道ではなく、退魔士達のみが利用する獣道を進んでいった透達は、いつしかそびえ立つ岩壁の前にやって来ていた。
「なんだ?なにも特徴がない岩壁じゃないか。
まさかここをよじ登るんじゃないだろうな?」
透はそびえ立つ岩壁の上を見上げてゲッソリした。
「この先だよお兄ちゃん!」
彩音は珍しくスカートではなく、パンツスタイルでそう言った。
山登りなのでスカートじゃダメだと忍に言われた彩音は、沙綺の部屋から服を借りてきたらしい。
丈が全くあっていない沙綺の服の裾を折り返して、ぶかぶかなウエストはサスペンダーで引き上げてあった。
チビTシャツを着ていたので余計に上半身がスリムに見えて、胸に視線が行ってしまう透だった。
「この先って…。他に迂回できないのか?無理に登らなくても…。」
「誰が登るって言ったのよ、昨日説明したでしょ?これが視覚結界よ。」
そう言って忍は壁に向かって歩きだした。
その山中に翌日となった今日、透達は来ていた。
一般人が入る登山道ではなく、退魔士達のみが利用する獣道を進んでいった透達は、いつしかそびえ立つ岩壁の前にやって来ていた。
「なんだ?なにも特徴がない岩壁じゃないか。
まさかここをよじ登るんじゃないだろうな?」
透はそびえ立つ岩壁の上を見上げてゲッソリした。
「この先だよお兄ちゃん!」
彩音は珍しくスカートではなく、パンツスタイルでそう言った。
山登りなのでスカートじゃダメだと忍に言われた彩音は、沙綺の部屋から服を借りてきたらしい。
丈が全くあっていない沙綺の服の裾を折り返して、ぶかぶかなウエストはサスペンダーで引き上げてあった。
チビTシャツを着ていたので余計に上半身がスリムに見えて、胸に視線が行ってしまう透だった。
「この先って…。他に迂回できないのか?無理に登らなくても…。」
「誰が登るって言ったのよ、昨日説明したでしょ?これが視覚結界よ。」
そう言って忍は壁に向かって歩きだした。